毎週日曜日、車両の進入が遮断された原宿の目抜き通り。竹の子族やローラー族が色鮮やかな衣装で群がっていたあの狂乱のストリートに、突如として異質な集団が割り込んだ。母体となった劇団「劇男一世風靡」の選抜メンバーたちである。彼らは華美な飾りを一切削ぎ落とし、仕立ての良いスーツと鋭い眼光だけで群衆を圧倒した。
彼らの武器は、一糸乱れぬ群舞と肉声の掛け声。機材トラブルすらアドリブでねじ伏せる気迫のストリートパフォーマンスは、瞬く間に口コミで広がり、数千人の観客が原宿歩行者天国の歩道を埋め尽くす社会現象へと発展した。警察の規制や通行人の冷視線を浴びながらも、彼らは決して足を止めなかった。路上こそが唯一の表現の場であり、生き残るための戦場だったからだ。