本作の興行を語る上で避けて通れないのが、圧倒的なスケールの製作費だ。一般的な劇場アニメの製作費が数億円から十数億円程度とされる中、『かぐや姫の物語』に投じられた予算は最終的に約51.5億円にまで達した。これに対し、国内における最終的な興行収入は約24.7億円。配給収入換算で見れば、投じた資金の半分にも満たない数値にとどまる。
映画ビジネスの冷徹な数字だけを見れば、製作費51.5億円に対して興行収入24.7億円という結果は、大赤字と判断されてもぐうの音も出ない。東宝が手がけるメガヒット路線のアニメーション映画群と比較しても、投資回収率の低さは明白だった。しかし、この数字だけで本作を単なる敗北と断じるのは早計だ。なぜなら、スタジオジブリと日本テレビをはじめとする製作委員会の出資構造は、単体の劇場公開収入のみで利益を完結させる通常の映画制作とは一線を画していたからである。