Q1:ガウジングを行った後、グラインダーをかけずにそのまま再溶接してはいけませんか?
A1:絶対にそのまま再溶接してはいけません。アークエアガウジング直後の母材表面には、吹き飛ばしきれなかった微小なスラグや酸化スケール、そしてカーボン電極から移行した極薄の「浸炭層」が形成されています。これらを残したまま溶接ビードを重ねると、溶接割れや融合不良、ブローホールの直接原因になります。必ずディスクグラインダーで表面を0.5mm〜1mm程度軽く削り、銀色の健全な金属素地を露出させてから次層の溶接を行ってください。
Q2:工場にある一般的な被覆アーク溶接機やTIG溶接機でガウジングはできますか?
A2:一般的な小型の被覆アーク溶接機や家庭用電源の溶接機では、電流容量が不足するため実質的に不可能です。アークエアガウジングでは最低でも250A〜300A、標準的な板厚では400A〜500A以上の大電流を連続して流す必要があります。また、溶接機の内部構造(トランスやインバータ)に瞬間的な過負荷がかかるため、「ガウジング兼用」または「使用率が十分に高い大容量直流溶接電源」を指定して使用しなければ、溶接機本体が焼き付いて故障する恐れがあります。
Q3:プラズマガウジングとアークエアガウジングは現場でどう使い分ければ良いですか?
A3:「母材の材質」と「要求される清浄度」で使い分けます。炭素鋼(鉄骨や厚鋼板)の大量ハツリ作業や大深溝加工には、コストが安く掘削スピードが速いアークエアガウジングが適しています。一方、ステンレス鋼やアルミニウム合金などの非鉄金属、薄中板の精密な欠陥除去、炭素混入を厳禁とする原子力・サニタリー配管などでは、浸炭を起こさず母材への入熱を低く抑えられるプラズマガウジングを選択するのが業界のスタンダードです。