車検ステッカーの位置に関する国土交通省の省令改正(道路運送車両法施行規則の一部改正)が施行されて以降、貼付位置の基準は「前方かつ運転者席から見やすい位置」へと一本化されました。右ハンドル車であれば「運転席側の上部(車内から見て右上端)」が原則的な指定位置となります。
なぜ長年親しまれてきた「中央上部(ルームミラー裏)」から変更されたのでしょうか。その最大の理由は、「無車検運行(うっかり失効)の防止」にあります。国土交通省の調査データによると、車検切れのまま公道を走行してしまうドライバーの多くが「車検の満了日を忘れていた」と証言しています。従来のルームミラー裏では運転席から有効期限が死角になりやすく、次回の受検時期を見落としがちでした。
運転席側のフロントガラス上部に配置することで、車に乗り込む際や運転席に座った際、自然と満了年月が視界に入ります。ドライバー自身に当事者意識を持たせ、社会問題化していた無車検・無保険運行を未然に防ぐ構造的なアプローチが導入されたのです。