一方で、すべての事業者が誠実な運用を行っているわけではない。独立行政法人国民生活センターには、近年、手元供養やメモリアルジュエリーに関連する契約トラブルの相談が複数寄せられている。契約時に示された納期を大幅に遅延したり、海外研究所への送付証明書や成分分析レポートの提出を拒むような不透明な事業者が存在するのも紛れもない事実だ。
特に問題視されているのは、極端な格安価格を謳いながら、実際には遺骨からの炭素抽出工程を省略し、単なる市販の合成ダイヤモンドを納品していた悪徳仲介業者の存在である。「大切な家族の遺骨を預けたのに、工程の追跡ができない」「問い合わせても返答が途絶えた」といった被害事例は、悲しみの中にある遺族の心に消えない傷を残す。高額なメモリアルジュエリー市場の急速な拡大に法整備や業界基準の策定が追いついていない隙を突く悪質な手口には、細心の注意が必要だ。