地域住民や子育て世代にとって、安価で良質な遊び場が失われることへの反発は極めて強いものがありました。ここで白井市民プール存続の経緯まとめを時系列で整理し、巻き起こった議論の現実を紐解きます。
休止が長期化するにつれ、市内では有志による「白井市民プールの存続を求める署名活動」が展開され、短期間で数千筆におよぶ署名が市長および市議会へと提出されました。市議会においても、子育て支援の象徴的施設として民間委託(PFI方式や指定管理者制度の拡充)による再建を模索する声が噴出。「民間事業者に運営を委託すれば黒字化して再開できるのではないか」という期待が市民の間でも急速に膨らみました。
しかし、白井市民プール再開の真相を検証すると、民間活力の導入すら阻む厳しい壁が存在していました。市が実施したサウンディング型市場調査(民間事業者との対話調査)において、名乗りを上げた民間企業からは以下のような極めてシビアな見通しが提示されたのです。
「10億円を超える初期改修投資を民間資金で回収することは不可能。市が全額改修した上で、さらに毎年の運営委託料(指定管理料)が交付されなければ事業として成立しない」。
つまり、民間企業に委託したとしても行政の財政負担は減らず、むしろ民間の利益分だけ財政支出が膨らみかねない構図が明らかになったのです。感情的な存続論と冷徹な財務シミュレーションの狭間で議論は紛糾しましたが、最終的に白井市議会は苦渋の決断として施設の廃止関連議案を可決。これにより、法制上も予算上も「再開の道」は完全に断たれました。