「めいいっぱい」という響きを漢字に直そうとした際、多くの人が「目一杯 漢字」の組み合わせに辿り着きます。しかし、「目に一杯とはどういう意味なのか」と首を傾げる方も多いはずです。実はこの表現、人体器官の「目(eye)」とは直接の関係がありません。
コトバンクや国語辞典の記録によると、「目一杯」の語源は「秤(はかり)や枡(ます)の目盛りがいっぱいになること」に由来します。江戸時代の商業取引において、天秤ばかりの目盛りや升のフチ(計量線の目)の極限まで穀物や酒を満たした状態を指した言葉が、転じて「これ以上の余地がない最高限度」「限界ギリギリ」を意味するようになりました。
文献上の初出を遡ると、宝永から正徳期にあたる1713年の雑俳『削かけ』に「さいて見や・とんと貴様が目一ぱい」という用例が見られ、江戸中期にはすでに庶民の間で広く定着していたことが確認されています。つまり、歴史的正統性を持つめいいっぱい 漢字表記は「目一杯」です。
一方で、現代の国語辞書(Weblio辞書や広辞苑など)における本見出しは「めいっぱい」となっています。「めいいっぱい」という発音は、日本語の音韻変化において強調や語調を整えるために「い」が挟み込まれた(促音の長音化)派生态です。日常会話として「めいいっぱい」と発声すること自体は間違いではありませんが、文字として表記する際の公的な正書法は「目一杯(めいっぱい)」であるという事実を押さえておく必要があります。