こうした乱用や依存のリスクを重く見た厚生労働省は、エチゾラムを向精神薬に指定し、1回あたりの処方日数を原則30日までに制限する措置を講じた。かつてのように「安全で使いやすい安定剤」として安易に大量処方される時代は終わった。
日本精神神経学会をはじめとする専門機関も、ベンゾジアゼピン系および類似薬の長期連用に対して厳格なガイドラインを提示している。製薬産業のトレンドも、依存性の少ない新規抗うつ薬(SSRIなど)やオレキシン受容体拮抗薬へとシフトしつつある。だが、現場の医師と患者の間には、依然として「デパスでなければ効かない」という根強い心理的依存の壁が立ちはだかっている。