長期間にわたり進められてきた耐震・改装工事が一段落し、館内は驚くほど回遊しやすいレイアウトへと生まれ変わった。かつて複雑に感じられた階層の移動は、刷新された案内サインや滑らかな動線設計によって非常にスムーズになり、初めて訪れる者でも目当てのジャンルへと迷わずたどり着ける。
今回の改修の真髄は、老舗の佇まいを守りつつ現代的な利便性を融合させた点にある。各フロアにゆったりとした閲覧スペースや目に優しい照明が導入され、長時間棚を眺めていても疲れにくい環境が整えられた。株式会社紀伊國屋書店が追求する「都市型書店における最高峰の体験」が、この空間で見事に結実している。