2010年代半ばから球界を席巻したフライボール革命は、打者のスイングプレーンを劇的に変えた。その結果として生じたのが、引っ張り方向への記録的な打球速度の上昇だ。特に右のパワーヒッターが放つ打球は、ファウルゾーンへ切れていく鋭いドライブ回転がかかりやすく、目測を誤れば一瞬で長打ゾーンへと転がっていく。
従来の感覚に頼った守備位置では、到底対応しきれない。落下地点へのアプローチ角度、一歩目の反応速度、そしてフェンスまでの距離感の把握。これらがコンマ数秒単位で問われる時代だ。左翼を守る選手に課される守備的タスクは、中堅手に匹敵するレベルまで増大している。