テレビ番組での喧嘩がデマである一方で、バンド内部におけるメンバー同士の激しい衝突=「本気の喧嘩」は日常茶飯事でした。特に象徴的だったのが、ボーカルの栄喜とギタリストのDAITAによる音楽的アプローチの違いです。
国内外のトップギタリストからも絶賛される緻密な構成力と完璧主義を持つDAITAに対し、魂を揺さぶるエモーショナルな歌唱と直感を重視する栄喜。名曲を生み出すプロセスにおいて、両者が一切の妥協を許さずに意見をぶつけ合う様は、まさに火花の散るような真剣勝負でした。アレンジやメロディの細部をめぐってスタジオで怒号が飛び交うことも珍しくなく、この妥協なきぶつかり合いこそがシャムシェイドの類まれな楽曲クオリティを支えていたのです。
しかし、2002年3月の日本武道館公演をもって発表された解散の背景には、そうした度重なる摩擦によるエネルギーの限界と、バンドとしての目標達成がありました。「日本武道館でワンマンを行う」という結成当初からの悲願を達成したことで、メンバーそれぞれの目指す音楽的ベクトルが次のステージへと向かい、バンドは惜しまれつつその活動にピリオドを打ちました。憎しみ合っての破綻ではなく、全力を出し尽くした末のプロフェッショナルな決断でした。