芝山千代田駅を語る上で欠かせないのが、芝山鉄道の歴史と経緯です。芝山鉄道線は、京成電鉄の旧成田空港駅である東成田駅と芝山千代田駅を結ぶ全長2.2kmの路線で、普通鉄道(ケーブルカーやモノレール等を除く一般の鉄道)として日本最短の営業キロを誇ります。
この特異な路線が生まれた最大の理由は、成田空港建設による地域分断の解消と地元への代償措置にあります。1960年代から始まった空港建設により、山武郡芝山町をはじめとする空港東側エリアの住民は、成田市街地への交通路を空港敷地によって遮断される形となりました。これに対する地域振興と生活交通の確保を目的として計画されたのが芝山鉄道です。
1981年の会社設立から実際の開業を迎えた2002年10月まで、実に20年以上の歳月を要しました。用地買収の難航や空港建設を巡る社会的情勢が色濃く反映された結果であり、現在も路線の筆頭株主は成田国際空港株式会社(NAA)と千葉県が占めています。空港の巨大な誘導路や滑走路の直下をくぐり抜ける地下トンネル構造は、まさにこの複雑な歴史の産物と言えます。