そして現在、2026年。引退から6年が経過し、武隈親方としての手腕は完全な開花期を迎えている。武隈部屋から幕内・十両へと昇進する力士が相次ぎ、番付表に「武隈」の名が躍らない場所はない。新進気鋭の若手たちが繰り出す鋭い立ち合いは、かつての大関豪栄道を彷彿とさせる。
稽古場では自ら廻しを締めて胸を出すこともあるという。実戦さながらの厳しい指導の中にも、弟子一人ひとりのメンタルに寄り添うきめ細やかさがある。勝ったときの喜びも、負けたときの悔しさも、すべてを共有する師匠の姿。弟子の成長を誰よりも喜び、土俵下に熱い視線を送る武隈親方の姿は、本場所の風物詩となっている。