アレルギーを引き起こす主犯格となるのが、合成樹脂を固めるために配合されているアクリル酸エステル系のモノマー(低分子化合物)です。中でも代表的な成分がHEMA(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)やアクリル酸、イソボルニルアクリレート(IBOMA)などです。分子量が非常に小さいモノマーは角質層を容易に通過して皮膚の奥深くまで浸透するため、免疫細胞を刺激しやすいという性質を持っています。
完全に光硬化してポリマー(高分子化合物)となった状態であれば、分子が大きくなるため皮膚には浸透しにくく、アレルギーのリスクは大幅に下がります。しかし、現場で多発しているのが硬化不良と未硬化ジェルによる皮膚感作です。以下のような要因が重なることで、未硬化のモノマーが皮膚へ直接浸透していきます。
- ライトの出力低下・照射時間不足:UV/LEDライトの経年劣化や波長の不適合により、ジェルの内部がドロドロのまま固まりきらない。
- 塗布量の過多による硬化熱・照射ムラ:一度に厚塗りしすぎた結果、表面だけが固まり深部に未硬化モノマーが残存する。
- はみ出しの放置:ジェルが皮膚や甘皮に付着したままライトへ入れ、ダイレクトにアレルゲンを浸透させてしまう。
- 未硬化ジェルの拭き取りミス:エタノール等で拭き取る際、溶け出した未硬化成分を皮膚周りへ塗り広げてしまう。