医学解説書には「排卵期の出血はごくわずか」と書かれていることが大半ですが、女性向けコミュニティサイトや婦人科の問診票では、教科書通りの説明と乖離した深刻な生の声が日々吐露されています。
「排卵検査薬が陽性になった日に、トイレで排卵期出血の鮮血がドバッと出るような感覚があり、昼用ナプキンが真っ赤に染まって震えた」(30代・会社員)
「毎月のように排卵期になると、下腹部が引きつるような排卵期出血に伴う鮮血とキリキリした腹痛に襲われ、生理用ショーツが手放せない」(20代後半・公務員)
このように、インターネット上の知恵袋や医療相談窓口では、通常の排卵出血の定義を明らかに超えた「生理並みの鮮血」「塊が出る」といった体験談が溢れています。こうした実態を臨床医の取材証言と照らし合わせると、2つの背景が浮き彫りになります。
第1に、排卵痛と卵胞液の腹膜刺激です。排卵時に卵胞が破裂する際、卵胞液とともに微量の血液が腹腔内へ散ります。これが腹膜を刺激して「排卵痛」を引き起こすのですが、卵巣の血管が太かったり排卵の破裂が激しかったりすると、腹腔内だけでなく子宮頸管を通って腟外へ鮮血がまとまって押し流され、ドバッと出たように感じられるケースがあります。
第2に、潜在的な局所病変の共存です。本人は排卵の出血だと思い込んでいても、実際には排卵期のホルモン変化によって子宮の血流が増加したことで、もともと存在していた病変部から勢いよく出血したに過ぎないという臨床結果が少なくありません。痛みを伴う出血や、一度に大量の血液が出る現象を「単なる排卵期の体質」と片付けるのは、極めて危険な賭けと言わざるを得ません。