浴衣を水につける前に、まず確認すべきは洗濯表示タグと生地の織り方です。経済産業省の改定JIS規格に基づく絵表示において、「洗濯機洗い可能(桶マーク)」または「手洗い可能(桶に手のマーク)」があればセルフケアの対象となります。桶マークに「×」がついているものは、水洗いによって大幅な縮みや染料の溶出が起きるリスクが高いため、専門店へ任せるのが賢明です。
素材別の特徴を押さえることも失敗回避の第一歩です。流通量の約70%以上を占める「綿(コットン)」や「ポリエステル」は水に強く、自宅洗いに最適です。シャリ感のある「麻(リネン)」や「綿麻混紡」も水洗い可能ですが、繊維の特性上シワが定着しやすいため、脱水を極力短くする工夫が求められます。
一方で、糸を強く括って染色する「有松絞り」などの絞り浴衣や、金銀箔加工、職人の手描き友禅、絹(シルク)を含む高級浴衣は自宅洗濯を避けてください。絞りの凹凸(シボ)が水分の重みで伸びて平らになってしまったり、箔が剥離したりする修復不可能なトラブルに直結します。
また、色柄物の浴衣で絶対に怠ってはならないのが色落ちチェックです。水で薄めた中性洗剤を白い布や綿棒に少量つけ、浴衣の裏側や裾などの目立たない部分を軽く叩いてみてください。白い布に染料が移る場合は、家庭での洗濯は諦めて和服専門のクリーニング店に依頼するのが無難です。