講談社や集英社が発行するメジャーカルチャー誌、あるいは文芸誌の表紙・グラビアにおいて、桑島の名を見ない時期はない。商業メディアの現場では、クライアントの要望やタレントのパブリックイメージといった無数の制約が課される。だが、彼の写真はそうした枠組みに決して埋没しない。
商業誌のページをめくる読者の指を止めさせるのは、計算されたキャッチーさの裏にある、ギラリとした作家性の刃だ。妥協のないフレーミングと光の捉え方によって、クライアントワークであっても自身の美意識を十全に貫き通す。マスに向けたエンターテインメントの文脈の中で、自らの作家性を鋭く研ぎ澄まし続けるバランス感覚は、同世代の写真家の中でも傑出している。