スタジオ音響の劇的な変化も、違和感の正体の一つだ。
昭和・平成初期のアナログ収録から、現在の高度なデジタル収音・編集技術への移行に伴い、マイクが拾う声のマイクノイズや倍音の聴こえ方はガラリと変わった。ノイズのないクリアすぎる音響環境が、かえって「昔聴いていた声と違う」という感覚を生み出すことがある。
山崎和佳奈自身もインタビュー等で、蘭という役に長年寄り添う中で表現方法を模索し続けている旨を明かしている。これを「深みが増した」と歓迎する声がある一方で、昔の甘い声を記憶している層からは「変わってしまった」と受け止められる。長寿作ならではの宿命と言えよう。