順風満帆に見えたプロ棋士としての歩みですが、30代を迎えた頃、人生の大きな転換期が訪れます。将棋の普及活動や自身の資産運用の一環として始めた「株式投資」が、彼の人生を劇的に変えることになりました。
最初は順順調だった投資も、バブル崩壊やリーマン・ショックといった未曾有の金融危機によって大打撃を受けます。一時は数億円規模の資産が劇的に減少するほどの危機的状況に陥りました。精神的に追い詰められた桐谷さんを救ったのが、保有していた企業から送られてくる「株主優待」だったのです。現金を使わずに食事をし、衣類を揃え、映画を見る。生活のすべてを優待で賄うスタイルは、まさにどん底から生み出された生き残り戦略でした。