朝一番の静けさが残るアルプススタンドを揺らしたのは、名門校同士による壮絶な投手戦だった。序盤から両チームの先発投手がギア全開の投球を披露。145キロを超える伸びのあるストレートと鋭く落ちる変化球をコース微細に投げ分け、互いに三塁を踏ませない緊迫した展開が続いた。
試合が動いたのは8回裏。1死三塁の好機で仕掛けたセーフティスクイズが見事に決まり、喉から手が出るほど欲しかった喉元の一点を毕ぎ取った。派手な長打ではなく、徹底された走塁意識と小技でぎりぎりの勝利を掴み取る姿は、まさに高校野球の原点を感じさせるゲームメイキングだった。