物語が最終決戦へと突入すると、オール・フォー・ワンは「巻き戻し(エリの個性を利用した薬)」によって全盛期の肉体へと若返っていくという衝撃的な展開を迎えます。ここでファンを大いに沸かせたのが、「若返り後の声優への移行と、大塚明夫の演技のグラデーション」でした。
青年期の姿となったAFOの声を実力派声優の神谷浩史が担当し、大塚明夫が築き上げた「悪のカリスマ」の重厚感を見事な連携で引き継ぎました。大塚明夫が演じる崩壊寸前の老獪なAFOから、若さと全能感を取り戻していく過渡期の芝居は、まさに職人技と呼ぶにふさわしい緊張感に満ちていました。
姿形が若返り、声の担当が変わってもなお、根底に流れる「大塚明夫版オール・フォー・ワンの魂」は決してブレることなく、最終決戦の死闘をより重層的なドラマへと昇華させたのです。