物語の冒頭、病に倒れた幼いエラの母(ヘイリー・アトウェル)は、最期の瞬間に娘へ語りかけます。そこで託された言葉こそが、シンデレラ母の遺言として知られる「Have courage and be kind」でした。母は幼い娘に対し、これから人生でどれほど困難な試練が訪れようとも、この2つの魔法さえあれば乗り越えられると優しく諭します。
このシーンが観客の涙を誘うのは、母の言葉が決して富や地位、表面的な美しさを求めたものではなく、「心の気高さ」こそが最大の武器になると伝えているからです。母の早すぎる死、父の再婚、そして継母と義姉たちによる過酷ないじめ――。次々と降りかかる不幸のなかで、エラはこの約束を胸に刻み、自分自身の尊厳を守る防壁として生き抜いていきます。この言葉の背景と真相を知ることで、彼女の微笑みの奥にある揺るぎない覚悟が鮮明に浮かび上がってきます。