スーパーの鮮魚コーナーで値札を見比べると、カンパチはブリよりも1.5倍から2倍近く高い価格設定になっているケースが目立ちます。この値段の違いと高級魚の理由には、養殖技術の難易度と生息海域の環境要因が深く関わっています。
日本国内におけるブリの養殖は半世紀以上の歴史があり、技術が高度に確立されているため大量供給が可能です。一方、暖海性のカンパチは水温管理が難しく、稚魚(モジャコ)の採捕量が年によって激しく変動します。また、カンパチは生育に時間がかかり餌代コストも嵩むため、養殖であっても生産コストが高止まりしやすい構造があります。
さらに、天然と養殖の食感の違いにも流通上の秘密があります。ブリは養殖技術の向上により、年間を通して脂質20%前後の超脂乗り個体が安定供給されています。しかし、養殖ブリは脂が多すぎて身が柔らかくなりやすい欠点があります。これに対してカンパチは、養殖であっても身の締まりが保たれやすく、天然物に近いコリコリとした歯ごたえを維持できるため、外食産業や高級ホテル需要が一手に集中し、市場価格が底上げされているのです。