清水邦夫といえば、稀代の演出家・蜷川幸雄とのタッグで数多くの傑作を生み出したことで有名です。『真情あふれる軽薄さ』『ぼくらが非情の大河をくだる時』、そして名作『タンゴ・冬の終わりに』など、清水邦夫×蜷川幸雄の黄金コンビが生み出した舞台は、日本の演劇史に燦然と輝いています。
この激動の熱気の中、清水ハルマンのアートセンスも舞台の空気感と深く共鳴していました。彼女の描くポスタービジュアルや劇中美術のニュアンスは、清水戯曲が持つ「記憶」「喪失」「美への執着」といったテーマを見事に具現化し、蜷川演出のダイナミズムと清水邦夫の詩的宇宙を視覚的に結びつける架け橋となっていたのです。