本橋の活動はクラブ運営にとどまらない。NHKの解説席に座れば、専門的なストーンの挙動やアイスの読みを、視聴者に分かりやすい言葉で解きほぐす。一方で、ABEMAなどのデジタル配信プラットフォームでは、軽妙な語り口とともに競技のエンターテインメント性を引き出し、若い世代やライト層のファンを開拓してきた。
ウィンタースポーツが抱える最大の課題は、4年に1度の祭典が終わると急激に関心が薄れてしまう「一過性の熱狂」だ。本橋はメディアへの露出を戦略的に捉え、自らが広告塔となってカーリングの奥深さを発信し続けている。アイスの温度、石の研ぎ方、選手同士の息遣い。彼女の解説を聞けば、氷上のチェスと呼ばれる緻密な心理戦が、まるで上質なサスペンスドラマのように立体的に浮かび上がってくる。