多くのファンが気にかけているのは、激動のキャリアを経て迎えた国母和宏の現在だろう。2026年を迎えた今もなお、雪山に対する彼の情熱とクリエイティビティは一切衰えていない。コンペティションの第一線から離れた現在も、国内外のバックカントリーを拠点に極秘裏にフィルムメイキングを継続。限られた映像作品やショートフィルムで見せるライディングは、円熟味と研ぎ澄まされた鋭さを増している。
現在は後進の育成やローカルコミュニティへの還元、さらに自然環境と共生するスノーボーディングの価値観を発信し続けている。かつてメディアの猛烈な逆風に晒された男は、いまや世界の雪山を旅するすべてのスノーボーダーが敬意を払う生ける伝説となった。流行に左右されず、自らの美学を貫き通したその足跡は、現代を生きる表現者たちに強い勇気を与え続けている。