カンロ飴の歴史は、山口県光市にあった小さな菓子メーカー「宮本製菓」から始まりました。創業者の宮本政一氏が「日本人になじみ深い醤油を使った、今までにない飴を作れないか」と試行錯誤を重ねたことが原点です。
当時、飴といえば南蛮渡来の洋風ドロップや黒糖飴が主流でした。そこに日本の伝統調味料である醤油を組み合わせる試みは、業界でも前代未聞の挑戦。糖分と醤油を直火で高温加熱すると焦げ付きやすく、苦味が出てしまうという大きな技術的ハードルが存在したためです。
数年におよぶ研究の末、加熱温度と冷却タイミングの絶妙なコントロールに成功。1955年に完成したカンロ飴は、水飴と砂糖のまろやかな甘みに醤油の芳醇な旨味が重なり、瞬く間に全国的な大ヒットを記録しました。社名そのものが「カンロ株式会社」へと変更されたことからも、この一粒が日本の菓子史に刻んだインパクトの大きさがうかがえます。