座間市緑が丘の木造アパート2階。間取りはわずかロフト付きの6畳一間。この極めて手狭な生活空間で、わずか2カ月足らずの間に9人もの人間が殺害され、解体された。現場から押収されたクーラーボックスには頭部や骨が収められていたが、近隣住民が感じていた異臭の訴えと、警察の初動や犯行ペースの間にはどうしても物理的な乖離が残る。
成人ひとりの遺体を解体し、骨肉を分別する作業には膨大な体力と専門的な器具、そして何より途方もない時間が求められる。素人が短期間で痕跡を隠蔽しながら9人分もの作業を完遂できたのか。警視庁による家宅捜索の結果、共犯者の存在を示す直接証拠は見つからず単独犯と結論付けられた。だが、解体手順の手際の良さや、スカウト時代に培った人脈の影がチラつくことから、裏社会の指南役や運搬を手助けした協力者がいたのではないかという疑惑は今も完全には払拭されていない。