「最新話を誰よりも早く読みたい」「無料で全巻読破したい」というファンの欲求につけ込む違法海賊版サイト(いわゆるrawサイトやZIP・RAR配布サイト)。しかし、情報セキュリティ各社の調査データを紐解くと、これら非公式サイトの閲覧は自らデジタルな地雷原へ踏み込む行為に等しい実態が浮き彫りになる。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)やサイバーセキュリティ専門機関の報告によれば、海賊版漫画サイトの約87%以上に悪質なスクリプトや不正広告(アドウェア)が仕込まれている。画面上に「ウイルスに感染しました」「システムを更新してください」といった偽警告(フェイクアラート)を表示させ、不正アプリのインストールや個人情報の入力を誘導するフィッシング詐欺が横行しているのが現状だ。
さらに見過ごせないのが、法的なリスクの急激な高まりである。文化庁が主導した改正著作権法の施行以降、違法にアップロードされた著作物であることを知りながらダウンロードする行為は、私的使用目的であっても明確な違法行為となった。悪質なケースでは「2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金(またはその両方)」という厳しい刑事罰の対象となる。知的好奇心や一時の節約志向の代償としては、あまりにもリスクが大きすぎるのだ。