南天(ナンテン)、千両(センリョウ)、万両(マンリョウ)の3種は、遠目には同じ「赤い実をつける冬の低木」に見えますが、近づいて観察すると明確な違いがあります。最も確実な識別ポイントは「実の位置」と「葉の形状」です。
まず千両は、茎の頂点、つまり葉よりも上の位置に上向きで実がまとまってつくのが最大の特徴です。鳥に見つかりやすい位置に実をつけるため、自然界では実が早く食べられてしまう傾向があります。葉は2枚ずつ向かい合って生える「対生(たいせい)」で、縁には鋭いギザギザ(鋸歯)があります。
対する万両は、生い茂った葉の下側にサクランボのようにぶら下がって実をつける構造を持っています。上から見ると葉の陰に隠れるように実がつくため、千両とは正反対の位置関係です。葉は波打つような緩やかなギザギザがあり、千両よりも厚みと光沢があります。
そして南天は、上の2種とは姿が根本から異なります。実はブドウのように円錐状の大きな房になって垂れ下がるため、ボリューム感が圧倒的です。さらに葉は小さな葉が集まった「複葉(ふくよう)」で、冬になると鮮やかに紅葉する個体が多い点も、常緑を保つ千両・万両との大きな相違点です。