音楽社会学の観点から見ると、『冬のリヴィエラ』の歴史的成功は、日本の歌謡界における「ジャンルの境界線」を鮮やかに再定義した象徴的事件でした。
1980年代初頭は、歌謡曲、演歌、ニューミュージック、ロックが明確に棲み分けられていた時代です。その中でトップ演歌歌手が自らのアイデンティティを保ちながらサブカルチャーの旗手たちと手を結んだ勇断は、後のJ-POPにおける多様なクロスオーバーの礎となりました。
本作をいま楽しむ上でのリスナータイプ別の指針を整理しました。
- 深くおすすめしたいリスナー:
- 80年代シティポップや大滝詠一・ナイアガラ作品の文脈を深く味わいたい人
- 松本隆が描くハードボイルドな男性像や洗練された日本語詞に浸りたい人
- 大人の哀愁が漂う上質なAOR・歌謡曲を夜のBGMとして楽しみたい人
- やや注意が必要なリスナー:
- ド演歌特有の激しいこぶしやコテコテの浪花節サウンドのみを期待している人(本作は徹底して都会的ポップスとして構築されています)