寒さが厳しさを増す時期、牡蠣はグリコーゲンをたっぷりと蓄え、グリシンやグルタミン酸といったアミノ酸含有量が年間で最も高まる。全国漁業協同組合連合会(JF全漁連)の流通データを見ても、この時期の真牡蠣は身入りがよく、加熱調理時の旨味の広がりが別格だ。
また、農林水産省が発信する国産食材の栄養プロファイルによると、牡蠣は「海のミルク」と称される通り、現代人に不足しがちな亜鉛、鉄分、ビタミンB12の宝庫である。特に亜鉛は免疫機能の維持や細胞再生に欠かせない必須微量ミネラルだ。
茶碗蒸しという調理法は、水溶性のタウリンやビタミン群を出汁とともに一滴残らず摂取できる極めて合理的なアプローチでもある。生食用よりも実はプランクトンが豊富な清浄海域以外で育った「加熱用牡蠣」のほうが、身が肥えて味も濃厚であり、蒸し料理には最適であるという事実も知っておきたい。