スプリットタンを形成する手法は、主に医療用の切開施術と、自力で行うセルフ改造の2つに大別されます。しかし、日本国内における法的制約と肉体的リスクは極めて過酷です。
国内の一般病院や美容外科・形成外科では、医師法第17条(医業の独占)および医療倫理の観点から、審美目的でのスプリットタン切開手術を公式に請け負う医療機関は皆無に等しいのが実情です。そのため、海外の公認モディファイスタジオへ渡航して施術を受けるか、危険を冒して自己責任のセルフ改造に手を染めるケースが大半を占めています。
セルフ改造の代表格が「タイオフ(Tie-off)」と呼ばれる手法です。あらかじめ開けておいた舌ピアス(センタータン)のホールを起点とし、医療用デンタルフロスや手術用縫合糸、釣り糸などを舌先に向かってきつく結びます。組織への血流を遮断して数週間から数カ月かけて徐々に圧迫壊死させ、先端まで裂いていく方法です。
経験者が一様に口を揃えるのは、「タイオフ期間中の地獄のような激痛」です。締め上げた糸が組織に食い込むにつれ、頭蓋骨に響くような激しい拍動痛が24時間続きます。舌全体が通常の2倍近くに腫れ上がり、唾液を飲み込むことすら困難になり、固形物は一切口にできません。夜も眠れず、解熱鎮痛薬を規定量限界まで乱用しながら、壊死した組織の悪臭と戦う日々が続きます。衛生管理を誤れば、舌蜂窩織炎(ほうかしきえん)や敗血症を引き起こし、生命の危機に直結する危険極まりない手法です。