多くの生徒や保護者が陥る最大の誤解は、「絵の具を原色のままべた塗りすること」と「輪郭線を黒ペンでなぞってしまうこと」です。
現実の風景に完全な「黒」や「白」はほとんど存在しません。影の部分を塗る際に黒の絵の具をそのまま混ぜると、画面全体が濁って生気を失います。影を描く際は、青(ウルトラマリン)や紫、茶色(バーントシェンナ)を混色して「深みのある影色」を作ることが、作品の質感を劇的に向上させる隠れたポイントです。
また、アニメのイラストのようにすべての輪郭をくっきり線で囲ってしまうと、空間の奥行きが消えて平面的になってしまいます。遠くにあるものは輪郭をあえてぼかし、最も見せたい手前の主役だけ輪郭をシャープに保つことが、鑑賞者の視線を自然に誘導するプロの技術です。