小説家・伊集院静の評価を決定づけたのが、1992年に第107回直木賞を受賞した代表作『受け月』です。市井を生きる人々の哀切と希望を繊細な筆致で描き出し、選考委員から絶賛を浴びました。
その後も、瀬戸内海の小島を舞台に口の不自由な教師と子供たちの心の交流を描いた『機関車先生』(柴田錬三郎賞受賞)や、大人の男の哀歓とユーモアを漂わせる『ごろごろ』(吉川英治文学賞受賞)など、心揺さぶる名作を次々と発表します。
そして晩年、社会現象とも呼べる大反響を巻き起こしたのがエッセイシリーズ『大人の流儀』です。累計発行部数は200万部を突破。「理不尽に直面したときどう振る舞うべきか」「哀しみをどう抱えて生きていくか」を説いたメッセージは、世代を超えて多くの人々のバイブルとなりました。