最大多数の最大幸福は本当に正しいのか?功利主義の限界と現代的問題を徹底解説

最大多数の最大幸福は本当に正しいのか?功利主義の限界と現代的問題を徹底解説

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誰の言葉として知られるかという問いに対して、真っ先に名前が挙がるのが18世紀末から19世紀初頭のイギリスで活躍した哲学者・法学者のジェレミー・ベンサム(1748–1832)です。ベンサムは著書『道徳および立法の諸原理序説』(1789年)において、人間を行動へと駆り立てる動機は「苦痛の回避」と「快楽の追求」であると定義しました。

ベンサムの功利主義において、ある行為が正しいかどうかは「その行為が関係者全員の幸福(快楽)の総量をどれだけ増やし、苦痛をどれだけ減らしたか」という結果の効用によってのみ測定されます。個人の主観的な動機や伝統的な宗教的教義ではなく、客観的な結果の数値を基準に据えた点が、当時の身分制社会や不条理な法体系を刷新する強力な武器となりました。

特筆すべきは、ベンサムが考案した「快楽計算」の枠組みです。彼は快楽を強度・持続性・確実性・遠近性・多産性・純粋性・延長性(影響を受ける人の数)という7つの尺度で客観的に測定・数値化できると主張しました。身分や家柄に関係なく「誰もが1人として数えられ、何人としても1人以上には数えられない」という平等主義的な発想が、この思想の根底に流れています。

清水 千尋
Author

清水 千尋

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。