ブックマーケットを語るうえで外せないのが、運営母体である株式会社エーツーの存在と、同グループが誇るホビー界の巨頭・駿河屋との強力な連携体制だ。一般的な古書店が書籍の背表紙ばかりに目を向けていた時代から、同グループはいち早くサブカルチャー全般のデータベース化を推進してきた。
業界最大手のブックオフコーポレーションが均一価格販売や大型複合店化でファミリー層の獲得に注力する一方、エーツー系列の店舗網はマニアックな専門性の深さで差別化を図っている。店頭カウンターの端末は巨大な中央データベースと直結しており、全国規模の需給バランスを反映した値付けが瞬時に下される。地方のロードサイド店でありながら、秋葉原や日本橋の相場感でプレミア品が正当に評価されるのは、このバックボーンがあるからに他ならない。
このデータドリブンな査定システムは、持ち込み客にとっての安心材料であると同時に、相場の読み違いによる買い叩きを防ぐ防波堤として機能している。巨大プラットフォームのスケールメリットを地方の現場に還元する構造こそが、独自のポジションを不動のものにしている要因だ。