ケンタロウ氏といえば、2008年4月にスタートしたテレビ東京系の料理バラエティ番組『男子ごはん』の存在を外すことはできません。TOKIOの国分太一氏との飾らない掛け合い、料理の手際の良さと「うまい!」と豪快に頬張る姿は、料理番組のフォーマットを刷新しました。
事故直後、テレビ東京および番組スタッフは、即座にケンタロウ氏を降板させる措置は取りませんでした。「ケンタロウさんの席はずっと空けて待っている」という国分太一氏と制作陣の総意のもと、タイトルを変更することなく、様々な料理人をゲストに迎える形で番組を継続しました。その後、料理家・栗原はるみ氏の長男である栗原心平氏がサポートに入り、番組の灯を守り続けました。
事故から約9ヶ月が経過した2012年11月、所属事務所からの正式な申し出により、治療とリハビリに専念するため番組を正式に降板することが発表されました。この降板は、制作サイドによる解雇や切り捨てではなく、過酷なリハビリに挑むケンタロウ氏に余計なプレッシャーを与えないための、家族と所属事務所による苦渋かつ温かい決断でした。
降板後も、国分太一氏の友情が変わることはありませんでした。番組の節目や記念回において、国分氏は公の電波でも「ケンタロウさん」の名前を自然に口にし、彼の考案したレシピをリスペクトを込めて再現してきました。番組が栗原心平氏とともに現在も親しまれている背景には、ケンタロウ氏が築いた「料理を心から楽しむ」というDNAが、仲間たちによって大切に受け継がれているからに他なりません。