角 上 魚類 赤羽 店のシャッターが上がる30分前、すでに歩道には数十人の行列ができていた。新潟・寺泊港から早朝の高速便で運び込まれる日本海の幸。その圧倒的な鮮度とボリュームは、物価高が続く2026年の首都圏において、まさに「食の防衛拠点」のような存在感を示している。店内に一歩足を踏み入れれば、威勢の良い競り売りさながらの声が響き渡り、東京の北の玄関口・赤羽が一瞬にして港町の熱気に包まれる。
週末になれば、地元・北区の住民だけでなく埼玉方面からのファミリー客も大挙して押し寄せる。多摩地域や城東エリアからわざわざ車を走らせてでも角 上 魚類 赤羽 店を目指す人が絶えないのは、一般的な食品スーパーではお目にかかれない圧倒的な商品群があるからだ。丸ごと一匹並べられた旬のブリやノドグロ、水揚げされたばかりの紅ズワイガニが、驚くべきプライスラインで氷の上に躍動している。
なぜ新潟の魚屋が赤羽で熱狂的な支持を集め続けるのか
話はシンプルだ。「安くて、圧倒的に美味い」。だが、その舞台裏にあるロジックは極めて緻密だ。角上魚類の強みは、セリ権を持つ自社バイヤーが新潟県長岡市の寺泊港や首都圏の卸売市場で直接買い付けを行う独自ルートにある。仲介業者を極力挟まない直荷引きの仕組みが、中間の流通コストをバッサリと削ぎ落とす。
赤羽という立地も絶妙だ。下町情緒と酒場文化が根付くこの街は、食への感度が高い庶民の街でもある。目の肥えた赤羽の飲兵衛や主婦たちが「あそこなら間違いない」と太鼓判を押したことが、口コミの爆発力を生んだ。
物価高の2026年でもブレない「対面販売」の価値
パック詰めされた切り身が淡々と並ぶ近代的なスーパーとは対照的に、ここは昭和の市場のライブ感が生きている。「この魚、どう調理するのが一番うまい?」「刺身用に下処理してくれる?」といったやりとりが、売り場のあちこちで飛び交う。
専門知識を持ったスタッフがその場で三枚おろしや頭落としを無料で受けて立つ。魚の裁き方がわからない若者世代にとって、この「プロの手を借りられる」サービスは強力な安心感となっている。魚離れと言われて久しい時代に、ここでは逆流現象が起きているのだ。