黒バラ女王が放つ圧倒的な存在感を語る上で欠かせないのが、担当した歴代声優の圧倒的な演技力です。
初代を務めたのは、『一休さん』の一休役や『デジモンアドベンチャー』の八神太一役、『キテレツ大百科』のキテレツ役などで知られるレジェンド声優の藤田淑子さんでした。藤田さんは、少年の澄んだ声とは対極にある、低音で冷たく響く貴婦人のトーンを巧みに操り、上品さと底知れぬ狂気が同居する唯一無二の悪役像を完成させました。2018年に藤田さんが逝去された際にも、代表作の一つとして黒バラ女王の名を挙げるファンが後を絶ちませんでした。
その後、役を引き継いだのは『うる星やつら』のラム役などで名高い平野文さんです。平野さんは藤田さんが築き上げた冷酷なトーンを丁寧に継承しつつ、より妖艶で刺々しい迫力を付与し、令和の時代においてもその恐怖と気品を色褪せることなく表現し続けています。