地球温暖化対策の急圧は、鉄鋼業界の旧来のビジネスモデルを根底から揺さぶっている。膨大な二酸化炭素を排出する伝統的な高炉(ドロドロに溶けた鉄鉱石から鉄を抽出する巨大な炉)をいつまで稼働させられるのか。欧州をはじめとする厳格な環境規制は、グリーンスチールへの急速な転換を迫っている。
再生可能エネルギーを活用した電気炉(電炉)への移行や、水素還元製鉄技術の実用化には、莫大な資本と高度な技術革新が不可欠だ。旧態依然とした巨大組織が、この歴史的な構造転換に対応できるのか。残された時間は決して多くない。投資の遅れは、そのまま市場からの退場を意味する残酷な時代へと突入した。