容疑者となった朴鐘顕の経歴は、出版業界における「エリートそのもの」でした。京都大学法学部を卒業後、1999年に講談社へ入社。『週刊少年マガジン』編集部でキャリアをスタートさせ、数々の人気作を担当しました。
彼の名を業界内に轟かせた最大の功績が、2009年の『別冊少年マガジン』創刊です。朴は同誌の立ち上げに深く関わり、『別冊少年マガジン』副編集長に就任。当時、他誌の持ち込みで断られていた新人・諫山創氏の才能をいち早く見出し、『進撃の巨人』の連載化を強力に後押ししました。
さらに押見修造氏の『惡の華』など、人間の深層心理や闇を描くエッジの効いた作品を次々とヒットに導き、業界屈指のヒットメーカーとして名声を確立。事件当時は『週刊モーニング』の編集次長を務めており、将来の講談社役員候補とまで囁かれていた矢先の事件でした。