事件の背景として外せないのが、紀州のドンファンを取り巻く莫大な遺産相続の行方です。野崎さんの遺産総額は13億円以上と見積もられており、結婚後わずか3カ月で起きた事件の動機として常に焦点となってきました。
しかし、野崎さんは生前「全財産を田辺市に寄付する」という自筆の遺言書を残しており、遺族や須藤被告と自治体との間で遺言書の有効性を巡る民事訴訟が泥沼化しました。刑事裁判における有罪・無罪の須藤早貴被告の裁判結果は、この民事上の遺産配分(配偶者としての遺留分減殺請求権など)にも直接的な影響を及ぼします。
「遺産目当ての計画殺人」というシナリオの裏にある親族関係や利害の錯綜も、事件の全体像を複雑化させる要因となっています。