ここ数年、SNSを中心に「濡れ髪スタイル」や「ツヤ重視の重ためヘア」を演出するオイルやバーム、さらには髪質改善を謳う高濃度トリートメントが大ブームとなった。毎朝のスタイリングで油分を重ね、夜は夜で高保湿マスクを密着させる。このケアの過剰な重なりこそが、トラブルの引き金となっている。
髪の表面を覆うキューティクルは本来、適度な水分と油分のバランスを保つ繊細な構造を持つ。しかし、揮発しにくい重質油や親油性の高い合成ポリマーが毎日の洗髪で落ちきらずに残ると、そこに翌日のオイルやホコリ、頭皮の皮脂がさらに密着。化学的に言えば、成分同士が網目状に固着し、頑丈な「難溶性皮膜」へと変化してしまうのだ。