2026年の日本において、蚊の被害は従来の「夏本番」という季節感を大きく変容させている。気候変動に伴う連日の猛暑により、気温が35度を超える真夏日には蚊も暑さで活動を休止し、草むらの陰に身を潜めるようになった。
その代わり、活動のピークは春先から初夏、そして猛暑が落ち着く秋口へとシフトしている。さらに、都市部で頻発するゲリラ豪雨によってマンションのベランダや屋外の微小な水たまりが増加し、アカイエカやヒトスジシマカの繁殖サイクルが短縮化された。
近年の都市型蚊防除プログラムの報告によると、住環境の気密化に伴い、一年中室内で活動を続ける蚊の個体群も確認されている。もはや蚊の対策は、特定の季節や特定の血液型の人だけに限られた問題ではないのだ。