インターネット上の検索やSNSで頻繁に見受けられるのが、「近江屋本店は坂本龍馬が暗殺されたあの近江屋なのか?」という疑問です。慶応3年(1867年)に京都・河原町で起きた幕末最大の悲劇「近江屋事件」の現場である醤油商・近江屋(井口新助邸)と、全国に点在する菓子舗・食品店としての「近江屋本店」を混同するケースが多発しています。
結論から申し上げますと、歴史上の坂本龍馬暗殺現場となった京都の近江屋と、現在銘菓などを提供している近江屋本店との間に直接的な経営上の後継関係はありません。京都の近江屋跡地には現在、歴史を示す石碑が建立されているのみであり、現存する各地の近江屋本店は、近江商人のルーツや屋号の縁にちなんで創業された独立した老舗です。
歴史ファンが京都の史跡巡りと銘菓店を混同してクチコミを投稿したことが誤認の拡散につながったと見られますが、店舗が誇る伝統と由緒そのものは本物であり、独自の歴史的価値をしっかりと築き上げています。