インターネット上の検索動向やSNSの書き込みを精査すると、「水天宮の本尊や本宮は東京にあるのではないか」「久留米の水天宮は地方の分社にすぎないのでは」という誤った言説が散見されます。
これは日本橋の東京水天宮がメディア露出の頻度や都市人口の多さによって広く認知された結果生じた逆転現象です。歴史的公文書および神社本庁の記録上も、久留米の水天宮こそが全国の水天宮の頂点に立つ「総本宮」であり、全国の水天宮の神徳はすべて筑後川の畔から発せられています。
また、近代的な免震ビルの中に鎮座する東京水天宮に対し、久留米総本宮は筑後川の清らかな水流と豊かな社叢(しゃそう)に包まれた、自然霊力と古来の神道情緒が色濃く残る神域です。単なる観光名所としてではなく、原初の水神と平家哀史の歴史空間に身を置くことで得られる精神的静寂こそが、総本宮ならではの真価といえます。