今期の日テレドラマが放送前から大きな話題を集めている最大の要因は、巧緻を極めたキャスティングと予測不能なストーリーテリングにあります。「誰が味方で、誰が裏切り者なのか」という疑心暗鬼を生む人間相関図が緻密に設計されています。
「土ドラ9」では、世代を超えて共感を呼ぶ痛快な主人公像を中心に据え、職場の理不尽や社会の矛盾を爽快に打破する物語が展開されます。主人公を取り巻く同僚や家族のキャスト陣には、バイプレイヤーとして名高いベテラン勢が脇を固め、コミカルな会話劇の裏に潜むリアルな哀愁を見事に表現しています。
一方、「日曜ドラマ」枠では、1枚の相関図では到底全貌を把握できない多重構造の心理サスペンスが展開されます。物語の発端となる失踪・密室事件をめぐり、登場人物全員が嘘をついているという張り詰めた空気感が視聴者を惹きつけます。制作発表会見の現場取材でも、主演俳優が「台本をめくるたびに相関図の矢印が逆転し、自分自身の役柄すら疑いながら演じている」と語るほど、心理戦の駆け引きが緻密に計算されています。