ハルト君がその生物を見つけたのは、初夏の激しいゲリラ豪雨が去った翌朝のことだった。通学路の脇にある側溝で、泥にまみれて動けなくなっていた「それ」は、体長約15センチ。トカゲのようでありながら、カエルのような滑らかな皮膚を持ち、太陽の光を浴びるとメタリックな青色に輝いたという。彼はとっさに持っていたペットボトルに水を入れ、その中に滑り込ませた。それが、半年間に及ぶ秘密の共同生活の始まりだった。
餌は、庭で見つけたクモやダンゴムシ。やがて市販の熱帯魚用のエサも食べるようになった。ハルト君は毎日、学校から帰ると真っ先にクローゼットへ向かい、スマートフォンのライトで照らしながらその様子を観察した。「声をかけると、こっちを見るような気がした」。少年にとって、それは自分だけの絶対的な味方だった。