藤浪晋太郎投手の契約動向およびマイナー(AAA級)での登板環境は、常に熾烈なサバイバルの中にあります。MLBのロースター枠は26人、40人枠(ロースタープロテクト)から外れた選手は、マイナーでの結果のみならず、チーム事情や故障者の発生状況、対戦相手との相性によって昇格のタイミングが左右されます。
現在、藤浪投手が主戦場とするAAAクラスにおいて、マウンド上から放たれるボールの威力そのものは依然としてトップクラスです。ストレートの平均球速は98〜99マイル(約157〜159キロ)を維持しており、調子の良いイニングでは打者が手も足も出ない三振の山を築きます。しかし、防御率の推移を見ると、無失点ピッチングを続ける週がある一方で、1イニングに複数の四死球と暴投が重なって大量失点を喫する登板が散見され、防御率は4点台から5点台前半を行き来する不安定さを残しています。
年俸面においても、メジャー昇格を果たした初年度の単年325万ドル(約4億5000万円)前後の水準から、現在はスプリット契約(メジャー昇格時とマイナー降格時で年俸が大きく変動する契約形態)や招待選手としてのマイナー契約がベースとなっています。経済的な安定よりも「世界最高峰のマウンドで投げる」という本人の強い意志が、アメリカの過酷なバス移動と連戦が続くマイナー生活を支えています。